Tauchi Sakura*Art

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン出身。絵画・イラストレーションに関するブログ。前頭葉に幸あれ。

形をとるということ/デッサン

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17~19歳当時美術予備校で石膏や静物デッサンをしていたこと、美術予備校で講師をしていたこともだいぶ過去のことだが、貴重な時間だったと思う。
昔のことであまり写真を残してないので、帰省時暇な時撮った数少ない写メ
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あと、当時のクロッキー帳メモ
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ネット上で確認できる石膏はこのへんかな
https://matsubi.com/new-sakuhin03.htm


先日、メッセージで色々と主義主張をぶつけてきた浪人生の習作を見て、思ったことがある。独自の制作スタイルを語り、人に賛同や庇護を求め、それが受け入れられなかったら否定する前に、すべきことがあるんじゃないか。それは対象物の形を真剣に追いかけることだ。
石膏でも静物でも、その形、その比率になるまでに数えきれない芸術家、職人、デザイナーなど制作者の試行錯誤がある。人物なら天然自然の、1ミリもずれてはいけない造形がある。デッサンとして描く場合、それに無頓着でいてはいけないし、形と比率に込められた作り手の「思い」をくみ取り、思い込みを捨ててまず誠実に再現すべきだと思う。植木鉢一つとっても。まずきちんとモチーフと向き合い、見る·観察する。そういった姿勢がすべてに繋がってくるはずだし、その基礎を抜かして先の表現はないと思う。
とにかく目で見て足りないならデスケール使えばいいし、測り棒使えばいい。

勉強できる時間は何度とない大事な時だし、謙虚に対象物と向き合える経験は楽しいはず。目を曇らせているとすぐ過ぎ去ってしまう。それを無視するのは損でしかないよなあと思う。
土台のない発展はない。
受験シーズンも3月に入って合否結果も出ただろうけど、そんなことを考えた。