若冲とカラヴァッジョとわたし
フランケンシュタインの誘惑、原爆回つぎは東ドイツの国家ドーピング計画です。
自国の選手に金メダルを取らせようと国家単位で画策・・・・これまた闇が深い話
これは原爆回でオッペンハイマーがつぶやいたヒンドゥー教の詩編の「我は死なり」という部分を打ち合わせしてて思いついたシヴァ神。
造形怪異。
ひきつづいてイラスト担当させていただいてます!
www4.nhk.or.jp/P3442/
で、5月末はそのフランケンのドーピング回イラストの作業をしつつ、塾で働いたりなんかもしつつ行ってきた若冲展。
三時間越えの長蛇の列ということで最初時間的にムリかと絶望しましたが。
いけました!!
もうなんか「作品に追い込まれる」ってか・・・・
羽毛の部分ひとつとっても筆のあとが見えないほどの精緻さ。墨の点描、デザインのように幾何学的に処理された画面構成。多色刷り版画のシンプルな線の美しさと色彩感覚。
そして初期のファミコンの画面みたいな正方形で描かれた屏風絵!
こんな描き方をする人は間違いなく当時の日本にも世界にもたったひとり。
一生分の仕事だったとしても、本当に怪物的です。
数百年も前の人間が実際にこれを描いたんだということ、それに対峙できた嬉しさでビリビリに神経が張り詰めました。喫煙所につくころには力をすいとられ脱力。
あと6月はカラヴァッジョ。
これも昔から大好きなんですが超かっこいいよね。展示作品の中では一番首シリーズが好きだった。そして次にマグダラのマリアの法悦、構図から明暗から表情からすべてすばらしい。
気持ちを落ち着かせるためにゼンタングルって細かい紋様を描く方がいます。
(アーティスト気分て・・・)
線や形を積み上げ整理することで気持ちも整理され落ち着く効能ある。内面の波が激しいほどそれをどんどん線や形に変換して整えていくので画面は静かになる気が。カラヴァッジョは物凄く整理された、理知そのものの明晰な画面なのになぜ激情にかられて人を殺したりしたんだろうとふしぎに思ったんだけど、そういうことかな、と。とにかく人間はどこかでバランスを取らないと発狂しちゃうことがあるだろうから全く別の面で真逆の顔が出たりするもんだ。 そう考えるとボクシングで絵の具つける人とか実は超穏やかなんじゃないでしょうか??
生きてるうちにあれの何分の一の仕事ができるだろうか。考えてしまうやつでした。