モノクロームラブ展&ハイレッドセンター
展示のお話。
4月下北で久しぶりの展示です。
「モノクロームラブ展」4月22日(火)〜27日(日)
http://gallery-hibou.com/calendar/594293
これ、2010年の高円寺書林以来5年近くぶりなんですが、振りかえるといろいろその間にあったなあ。仕事場も3回変わったり、人も別れたり出会ったり。
でもとりあえず絵はやめずに続けてこれました。
ばあさんになって線がよたよたになっても、多分一生描いてると思います。
お暇があればおこしください。一緒に現実世界を忘れてあそびましょう。
で、こないだ、「画廊閉鎖を行っております。お暇があれば決しておいでにならないでください」という衝撃的な宣伝を目にした。それはなにか。ハイレッドセンターの告知文です。
ハイレッドセンターは、赤瀬川原平、中西夏之、高松次郎が60年代に結成したゲリラ芸術集団です。そのころ、世界中で既存の芸術の枠組みを積極的に解体する過激なアートが展開されました。ただ単に作品を美術館で展示するのでなく、街中やいたるところで行動によって表現する。ハプニング、パフォーマンスアートと呼ばれました。(ざっくり)日本では草間彌生の、まわりに水玉をえんえん描くやつなど。
ハイレッドセンターは超リアルなニセ千円札を作ったり、銀座でクリップを体中にくっつけたり、電車の中や駅のホームで白塗りになったりとか。
画廊を閉鎖して、その中で展示を行ったのもそのひとつです。
来てほしいはずの展示に来るな、という見せ方だけでもすごくセンセーショナルですが、こうした行動を芸術家がとるようになったのはなぜだろう。
ただヘンなことをして話題をつくればいいってのではもちろんなく、日常生活とアートの場が今まであまりにも切り離されていたことへの焦燥、世の中を行動によって直接とらえなおし、変えていこうとする意思が当時濃厚にあったのだと思います。
それと、すべての表現になにか寂寞感をうけるのは、どこか自分たちの行動を醒めた目でみつめていたからかもしれない。頭がクールでないと、あんなクオリティのニセ札は作れないし。
なにか創って見せることは、どんな形であれ、ちいさなものでも、自分と他について考え捉えなおし、なんとか結びつけていくことでしょうか。そういうリアルな表現は人をひきつけます。