ウィリアム・ブレイクの浮遊する肉体と意味
すきな画家シリーズをやってたら無限にブログのネタができそうな気がしてきました!これ楽しいな!
とても書きたかったウィリアム・ブレイクの話です。ブレイクは1757年生まれ、18世紀イギリスの銅板画家です。
あ、あとどうでもいいけど誕生日が一緒の11月28日です!わーい。
「象徴主義」という、どちらかというと印象派にくらべマイナーなカテゴリーに入れられるので、学校の美術史ではあまり熱く語られません。
象徴主義とは、哲学や精神世界にテーマを求め、「言いたいこと」を、絵という「暗号」を使ってあらわす謎解きのような絵画です。たとえば貞淑や美徳は「美しい処女」、忠実は「犬」を描くといったような具合です。多くは神話・聖書などから寓意イメージを得ています。
ブレイクは幼いころから幻視の体験があり、ふしぎなイメージを「視る」ことによって神の意思を感じとってたそうです。自身の中に生まれた宗教・哲学思想をベースにし、神秘的なイメージ群による象徴主義絵画を制作しました。
このへんの背景は宗教のない日本人にはわかりにくいですが、ブレイクの「普通でなさ」は一見すれば感じられると思います。
捻じ曲がり、浮かぶ肉体、上昇する気流のようなモチーフ、画面全体を覆う狂気。
しかも、画家本人の狂気ではなく、なんだか遠いところから空気に乗ってやってくるような、この世ならざる狂気を感じます。
ブレイクが絵という「視覚的暗号」を使って言わんとしている深遠な意図、宗教的な暗示は、凡人にはなかなか汲み取り難いものですが、そのイメージは一度みたら忘れられません。
なんとも言いようのない不思議な魅力があります。
私自身は神様が見えたこともなく、幻視というイメージのプレゼント体験もないですが、もしかしたら絵が与えてくれるその「言いようのない」感覚の中に、神に近いものいるのかもしれません。
画像はブレイク&神話のモチーフより。