Tauchi Sakura*Art

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン出身。絵画・イラストレーションに関するブログ。前頭葉に幸あれ。

オーブリー・ビアズリーのはなし


私が影響を受けた絵描きのひとりにオーブリー・ビアズリーという人がいます。
ビアズリーは19世紀末イギリスの、白黒ペン画のイラストレーター。
若干21歳の若さでオスカー・ワイルドの小説「サロメ」の挿絵を描き、病弱のため25歳でこの世を去りました。


挿絵画家として一躍有名になってからの活躍はわずか4年。
しかしその期間の短さ、そしてその年齢からいうと異様とも言えるほどの完成度のペン画をたくさん残しました。
作品の描線は無駄がいっさいない鋭さでありながら白と黒の間にじわじわと染み出してくる妙な引力があり、暗くエロティックながら、デフォルメされた人物にはどこかユーモアがあります。

ビアズリーの図版をはじめて目にした10代の私は大きな衝撃を受けました。

以来、手描きということにこだわりながら自分らしい表現を探していますが、たまにビアズリーの幽霊がまわりをちらちらしている気がすることがあります。
それだけ影響力のある絵描きであったと思います。

私はふだん0.4から0.3ミリのボールペンで描いているため、19世紀末の印刷のようなインクの粗さ・味は出ませんが、原図をフォトショで少しいじり描線を粗くしてみるとなんかビアズリー調かな?というかんじになりました。

ちょっとおあそび!